You (Me)

Live Broadcast (Flower at home) 2024 / 自宅の花を中継する(2024)
(Dimension variable) (2024)

TERAOKA Kai Solo Exhibition | You (Me)
寺岡 海 個展|You (Me)
June 1 – June 30, 2024
Open 12:00 – 18:00 (Close on Mondays)

Talk Event
June 15, 2024 15:00 – 17:00
出演 : 寺岡 海 × 安河内 宏法(京都芸術センタープログラムディレクター)
進行 : 平野 成悟(本展キュレーター)
会場 : hakari contemporary
費用 : 無料
予約 : 不要 ※来場者多数の場合入場制限を設ける可能性がございます。

After Talk
July 2024
出演 : 寺岡 海 × 平野 成悟(本展キュレーター)
形式 : オンライン配信
※詳細は決定次第 hakari contemporary Webサイトにて告知します。

それを観測する人がいるかいないかに関わらず、それがそこにあることに惹かれています。

―2024年2月9日 寺岡から平野へのメールより抜粋

それを観測する人がいるかいないかに関わらず、それがそこにあることに惹かれています。

―2024年2月9日 寺岡から平野へのメールより抜粋

この度、京都は岡崎に位置するhakari contemporaryにて、広島出⾝で京都を拠点に活動する美術作家・寺岡海を紹介します。寺岡はこれまで、主に写真や映像、⾳響装置などを⽤いながら、私たちの⾝体スケールでは把握し得ないこの世界の様相を提⽰してきました。とりわけ初期作である《A cloud》は、空に浮かぶ雲の表裏を2つの地点から同時撮影することで、雲という曖昧な事象を⼀つの実体的なものとして捉えた象徴的な作品です。本作において雲は、距離を隔てた2つの視点を媒介する存在としても浮かび上がっていますが、こうした〈ここ/此⽅〉と〈あそこ/彼⽅〉とを結びつける想像⼒は、《⾃宅の花を中継する》に代表されるような、寺岡が近年取り組む「中継する」シリーズと地続きにあると⾔えるでしょう。
本展タイトルの「You(Me)」が⽰唆するのは、〈あなた〉という⾔葉の背後に暗黙している〈私〉の存在であり、また間主観的な〈私〉同⼠の関係に基づいた消極的な主客の在り様です。主として⾮⼈称的な振る舞いをみせる寺岡の作品は、観者の視座を宙吊りにすることで、認識しつつも実感の伴わない事柄への、いうなれば「ありえているかもしれない世界」への想像を促します。本展では、素朴な懐疑から出発する寺岡の表現を通して、⾃明であるがゆえに意識化されない世界の可能性について、想像を及ばせる機会となれば幸いです。

本展キュレーター
平野 成悟

自分が知ることのできない世界について想像する。

空に浮かぶ雲を見る時、私の知らない誰かが、雲の反対側で私と同じように私のことを知らないままその雲を見ている。
もし、そこに誰もいなかったとしても、私の見ることのできない雲の裏側はきちんとこの世界に存在している。
当たり前にあるこの世界の輪郭を確かめるような、そんな幼い妄想は、不思議と私を安心させる。

例えば、家に飾った花が、家主がいない家でもきちんとその花を咲かせていること。
あの山の遥か向こうの渚では、今なお波が打ち寄せていること。
過ぎ去った時間が、今ここまでつながっていること。
あなたが、私と同じようにあなたにとっての私であること。

決められた視点や枠組みによって対象の価値を求めることなく、ただそれがこの世界にちゃんとあることを確認する。
いつか私たちがいなくなっても、意味もなくこの世界はあったと、
私自身が思えるように。

私と、私ではない私へ。

あるいは、私たちのいないこの世界のどこかで。

2024年4月26日
寺岡海

Live Broadcast (Flower at home) 2024 / 自宅の花を中継する(2024)
(Dimension variable) (2024)
Nowhere Days
(185 x 128 mm) (2024)
Live Broadcast (Flower at home) 2024 / 自宅の花を中継する(2024)
(Dimension variable) (2024)
Nowhere Days
(185 x 128 mm) (2024)

CV

寺岡 海
TERAOKA Kai

1987年 広島県生まれ、京都在住

別々の場所や視点、時間を、映像や立体を用いたインスタレーションによって接続するような作品を制作している。それにより、私たちが認識している世界を編集し、世界に対する新しい視点を呈示することを試みる。

主な個展に「春のまえがき」2022|KUNST ARZT(京都)、「A Wind#2」2019|2kw gallery(滋賀)、「Blanket and Dog」2015|Gallery Parc(京都)。主なグループ展に「逃げ水をすくう」2024|The Terminal Kyoto(京都)、「ウィルへルミーの吊り板」2020|MEDIA SHOP Gallery2(京都 )、「『応答』~SUMMER STATEMENT 2018 報告とその後~」2019|BIYONG POINT(秋田)、「ニューミューテーション #2 – 世界のうつし 展 -」2019|京都芸術センター(京都)など。

平野 成悟
HIRANO Seigo

1996年 大阪府生まれ。

京都を拠点として主に展覧会のキュレーションを行う。

近年のキュレーションに、山西杏奈・山田真実2人展「つきうつし」2023|galerie16(京都)、THE COPY TRAVELERS個展「観光とCの産物」2023|HOTEL RINGS KYOTO & THE REIGN HOTEL KYOTO(京都)、勝⽊有⾹・⼤東真也・寺岡海・松井照太・村⽥のぞみ・⼭⻄杏奈グループ展「ウィルヘルミーの吊り板」2020|MEDIA SHOP|gallery2(京都)

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